こんにちは。
論文を読んでいて感銘を受けることってありますよね。
自分が7年やっててすごいなと思った論文は片手で数えるくらいですが、
その中でも強烈に印象に残っている2名を紹介します。
量子コンピュータ業界もスーパースターぞろいで、
サッカー界のごとくですが、自分のあまり高くなレベルに合わせた解説になっていることを
ご容赦ください。
1,アラン・アスプル・グジック(トロント大学)
29歳でハーバード大学の助教授に就任し、その後教授に、そしてトロント大学へ移籍。数々の業績があるけれど、量子コンピュータが本業ではなくあくまで一つのとりかかっている分野というのがすごい。機械学習や自動化などの研究やビジネスも展開している。
https://en.wikipedia.org/wiki/Al%C3%A1n_Aspuru-Guzik
量子コンピュータの世界では革新的なアルゴリズムやソフトウェアを提供する一方で、Googleのソフトウェア人材などもアラン・アスプル・グジック研から多く輩出し、世界の最先端。VQEという量子コンピュータの中核アルゴリズムを生み出し、位相推定による量子化学などのFTQC向けも展開している大御所。
2,レイ・ワン(中国科学院)
量子コンピュータのソフトウェアは後発の中国において、機械学習の強みを使って一気にレベルを上げているすごい人。物性物理と量子コンピュータの理論において高度な論文をいきなり発表している。テンソルネットワークの活用もいち早く行っており、今後の量子コンピュータの機械学習のメインストリームとなるボルンマシンの基礎を築いている。
https://scholar.google.com/citations?user=t4m9TCIAAAAJ&hl=en
個人的な興味から機械学習寄りになりましたが、この二名に共通するのは、量子コンピュータが専門ではないということです。量子コンピュータは量子物理学や量子化学の深い洞察から自然と導き出されるものなのだなと、改めて自然界から知見の得られるマシンなんだなと再認識しました。