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量子コンピュータベンチャーのお金の組み立てかた

Yuichiro Minato

2023/10/30 02:47

お金って怖いですよね。15年やってて怖い思いをたくさんしました。事業は相手あっての物なので、その辺りを理解して仕事をしないと技術だけでは食べていけません。見てみましょう。

量子コンピュータはそのパワフルな性能が期待されて世界中で開発が進んでいます。多くは国の間での競争となっていまして、基礎研究や応用研究が進んでいます。しかし、現在 これといった応用がなくユースケースがありません。そのため多くの投資が無駄とは言いませんが、回収できないという事態になっています。その際に量子コンピューターベンチャー企業としてできる資金のやりくりというのはいくつかありますので、業界を見ていて様々みんな工夫されているので、ちょっと見てみたいと思います。

まず大前提として投資というものに対しての理解があまり進んでないような気がします。投資というのはギャンブルであって、かけたお金が戻ってこないというのが普通だと考えている人も多いと思います。 実際に投資を仕事としてる投資会社や投資家がそうしたギャンブルに手を染めているのでしょうか。実際にはそうではなく投資というものに関してきちんとしたお金の知識と背景の資金の仕組みをきちんと理解することができればそうした投資をギャンブルとして見るという見方はなくなると思います。実際にそうしてお金を失っている方々は仕事として見られていないというのがあるかと思います。

量子コンピューターベンチャー企業というのはこうしたお金の流れを利用しながら将来の技術の期待値を取り込みながら実際にそれぞれの技術を実現することによって投資を回収し投資家にリターンを提供するという仕組みになっています。

いくつかの手法というのはあるとは思いますが、例えば将来実現するだろうという期待値を利用しながら企業の外見をうまく整え、将来的な期待感を持ってして 企業価値を上げていき、最終的にM & A などの出口戦略を選択するベンチャー企業もあります。または、現在では金利が高く資金調達環境はあまり良くないですしIPO環境もあまり良くないので、時価総額を抑えながら最終的なリターンをIPOを通じてキャピタルゲインを取るという手法もあります。どちらにしろこうした手法は将来的な期待値の技術をすぐに実現するというところには大きな重点は置いてなく会社の評判や先進性をお金に変えるというマーケティング手法に近いとも言えます。

一方そうした一時的なキャピタルゲインではなく、本質的に企業価値を伸ばそうとする際には、実際に売上利益や特定の企業に役に立つ技術を確立するという手もあります。 その際には当たり前ですが、きちんと積み上げるように技術習得をし、営業を通じて実際の売り上げと利益について数字を作る必要があります。一般的にはこうした方法は量子コンピューター業界では通用せず、将来的な期待値に立脚している期待値先行の業界ですので、なかなか難しいところがあると考えられています。しかし、昨今の資金調達環境や金融環境において、こうした量子コンピュータ業界においても、良好なバランスシートを求めるような投資家も増えていると聞きます。 その際には、量子技術の中でもすぐにお金にできそうな技術を集中的に習得し、実際の営業を通じてお客様の社会課題を解決すると言うことが重要になってきます。 よく周りで聞くのが量子アニーリングと呼ばれる組合せ最適化問題を利用したもので、これを利用することによって業務の効率化をすると言うことを売りにすると言うものです。 実際量子計算を使ったこうしたソリューションを実際の顧客に提供するのはかなり難しいと考えられます。実際にはこうした技術はまだまだ実用化には程遠いですので、量子コンピューターを利用して業務の最適化をするのはかなり厳しいであろうとは言われています。その代わりにこういった場合に採択するのが既存のコンピューターを利用して、同様の社会問題解決をしようと言うようなものです。

量子コンピューターと言う名目で資金調達をしながら、実際にはこうした既存のコンピューターを利用して社会問題解決をすると言う企業は大変増えていますし、国の戦略としてもそうしたものをよしとしている側面もあります。こうした場合、やはり問題になるのは量子の性質というのが本当に既存のコンピューターに適用できるかどうかと言うところになります。期待値先行の期待値を取り外すことによって、その量子コンピューターのベンチャー企業にとって不利益になることがあるのかと言うのはあまりわかっていません。ただ一般的に考えると、そうしたコンピュータを使って優位性がある技術が本当に作れるかどうかと言うところが重要なポイントなるかと思います。 そうした場合には当たり前ですが、既存の技術に対しての優位性を評価されますので、実際に売り上げ利益と言う形になって表に出てくるというのが重要です。こうした企業の場合には、実際の売り上げ利益等の数字が重要視され、今後の期待値と言うところはちょっと不明です。もしかしたら既存のコンピューターを現在使いながら、将来的には量子コンピューターでも使えると言うことを売りにして、期待値を残しながら、既存のものを売り上げ利益を積んでいくと言う戦略になるのかもしれません。

また今考えられるのは、特に役立つこともせず、そのままなんとなく先延ばしをすると言うものです。多くの場合、こうしたものと言うのは金融環境が恵まれている段階では成立するのですが、現場の段階ではなかなか難しいと思います。投資した資金を無駄に使ってしまうと言うことになりますので、そうした事例はだいぶ減っているというのが多いかと思います。

量子コンピュータ業界の場合に重要なのは、期待値と実際の売り上げ利益のバランスとなります。将来のポテンシャルを犠牲にしてまで手元の売り上げ利益を作るのか、それとも将来的なポテンシャルが見えている場合、そうしたものを大きな市場を取りに行くために、手元の赤字を許容するのかと言うところも選択肢の難しいところです。 赤字の積み方がどうしてもマーケティングよりになってしまうと、研究開発予算が減ってしまい、最終的にはポテンシャルも犠牲になってしまいます。

量子コンピュータ業界においてやはり知識不足であると感じるのは、ベンチャー企業のシリーズの組み立て型となっています。通常シードエンジェルからスタートし、少しずつ成果を出しシリーズABCDと言うふうに順番にアルファベットを組んでいきます。上場というのはB以降位で行うと思いますが、 こうした将来的なものを見越した上でのベンチャー企業の評価額というのが非常に重要になってきます。評価額と言うのは量子業界においてはほぼ意味をなしません。多くの企業は計画を立ててはいるものの、その市場そのものが評価が落ち大きく揺らぐものですので、評価額自体にあまり意味はありません。量子コンピュータ業界における評価額は主に自己申告によるものによって株主との間で成立する合意のようなものです。実際、米国のスパック上場の多くの量子コンピューター企業は こうした事前の合意のもとで予測した株価というのが大きく下落しています。実際にはもともとの評価額が高すぎるだったり、その当時においては順当な評価額であったものが市場が大きく変化したとも考えられます。そうした意味で企業の評価額と言う物を捉える場合、多くの量子コンピューター企業に関してはその算定根拠はありません。

算定根拠に関しては、一定のレポートや市場規模の評価はありますが、多くがまだ投資段階となっていますし、多くが国ごとの政府の資金が入っています。そのために純粋に民間としての投資の金額がどこまでかと言うのも読むのもかなり難しいです。そうした意味でも多くの企業がこうした量子コンピューター業界での投資や発展に失敗し、海外でも多くの買収などをつうじた救済を見ることがあります。 国としては多くの量子産業を創出したいと考えていますから、当然助成金や補助金と言うところを重視します。また多くの企業もこうしたリスクのある産業に参加するためには、こうしたリスクをなるべく低減し、末永く技術を発展させたいために助成金や補助金と言うものを重視しています。実際にはどこまでが民間として産業が発達してるか分からないため、こうした助成金や補助金を打ち切るタイミングと言うのはかなり曖昧です。

実際量子コンピューティング業界においては、こうした助成金や補助金に浸かってしまっているがためになかなか商業化と言う観点で離陸できないと言うパターンも大変よく見ます。量子コンピューター自体がそんなに発展していませんので、それは仕方がないことだと思っていますが、なかなか簡単に言うと、大学生が仕送りを打ち切って、自分で就職し自立すると言うタイミングを失っているのと全く同じです。

海外ではイベントや教育にピボットをすると言う企業も目立ちます。 イベントはかなり頻繁に行われる業界ですので、細かいイベントの調整ができさえすれば多くのタイミングでの入金を獲得することができます。また教育に関しても本格的なものというのは作れないかもしれませんが、導入部分での教育においてきちんと資金回収をすると言うのは非常に安定したビジネスに見えます。実際海外の非常に有望視されていた企業がほとんどイベント会社になっているのではないかと言うな事でも散見されます。

どちらにしろ、量子コンピューターの実用化に関して、商用化がどのタイミングで行われるかと言うのは非常に難しい問題です。2019年ごろから日本で多くのベンチャー企業が生まれ、そして資金調達を通じて成長をしてきました。それからコロナを挟んだといえども、3年経ってから多くのファンドがそうしたリターンを求めるような状況になってきています。新規で量子コンピュータの企業を立ち上げると言うものを最近少しずつ見るようになってきました。そうした新規の企業は、ファンドのリターンはまだ3年5年10年先となっています。一方で最初に立ち上がった企業はファンドや投資家からのリターンを求められる時期になっており、 その後折り返し地点において、ポートフォリオやバランスシートといったものが重要視されます。ベンチャー企業としては、中間地点における途中報告において良い報告ができるかどうかと言うのは非常に重要でしょう。もしそのタイミングで企業として技術や売り上げや利益に関して良い報告ができない場合、実際にベンチャー企業を運用している経営者は非常に厳しい判断を迫られると思います。投資あっての量子コンピューターですので、こうした投資家の期待裏切ると言う事は業界全体に影響与えます。または投資と言うのは、全体の5%位しか成功しないのですから、 総取り企業が出るとみんな諦めて納得して良いのではないかなぁと思っています。以上です。

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