従来のビジネスモデルの限界に直面して
私たちの会社は、これまで多くのベンチャー企業が歩む典型的な道を進んできました。「大量の投資を獲得し、大手企業の下請けとして仕事を受注し、売上10〜20億円を達成した後、IPOで時価総額300億円を目指す」—このような王道のロードマップに沿って事業を展開してきたのです。
しかし時間が経つにつれ、このビジネスモデルには持続的な成長を阻む構造的な問題があることが明らかになりました。下請け構造では、どうしても利益率に上限が生じ、自社の独自性を発揮する余地も限られてしまいます。
量子コンピュータ分野への投資においても、継続的な外部投資や大企業からの発注、さらには助成金や補助金に依存するサイクルから抜け出せないジレンマに陥っていました。このような状況では、会社の方向性もモチベーションも不明確になり、「一生に一度のチャレンジ」としては物足りないと感じるようになったのです。
半導体開発への大胆な舵切り
昨年、私たちは大きな決断をしました。従来の路線を思い切って見直し、半導体開発という新たな領域に挑戦することにしたのです。
この転換は容易なものではありません。しかし、真にスケーラブルなビジネスモデルを構築するためには、避けては通れない道だと確信しています。半導体を自社で開発することで、製品自体のスケーラビリティだけでなく、ビジネスモデル全体をスケールする形へと再構築することが可能になります。
短期的には困難な挑戦となりますが、長期的な視点で見れば、会社の持続的成長と独立性を確保するための正しい選択だと信じています。
SaaSマーケティング領域への展開
半導体開発への挑戦と並行して、私たちはSaaSのマーケティング領域という成長性の高い分野にも計算技術を活かして参入することを決断しました。
既にいくつかのお客様が商品開発に成功されており、そのプロセスを通じて、計算だけでなく多様なサポートや業務が必要とされていることを実感しました。私たちの計算技術を活用してこうした業務全体をサポートすることで、より多くの企業の成功を包括的に支援できると考えています。
チーム一丸となった新しいビジョン
新しい方向性への転換は決して平坦な道のりではありませんでしたが、現在ではチーム全員が会社の飛躍的成長に向けた共通のビジョンを持つことができています。この共有されたビジョンが、日々の業務へのモチベーションを大きく向上させています。
困難な挑戦であることは間違いありませんが、それ以上のやりがいと使命感を持って、全員が一丸となって前進しています。半導体開発とSaaSマーケティングという専門性の高い領域で、独自の価値を創出していくことに大きな期待を抱いています。
新たなパートナーシップの可能性
この新しい旅路において、私たちと関わる企業や個人の皆様との連携は非常に重要です。半導体開発やSaaSマーケティング支援において、様々な形での協力関係を構築できればと考えています。
私たちのビジョンに共感いただける方々は、どのような形で連携できるか、ぜひ模索していただければ幸いです。新たな技術の創出と社会実装に向けて、共に歩んでいける仲間を探しています。
大きな転換期にある今だからこそ、新しいパートナーシップの可能性に心を開いています。共に革新的な未来を創造していきましょう。