これまでIntel Xeon + NVIDIA V100でのハイパフォーマンスGPUを利用して計算を行ってきましたが、排熱と騒音が大変だったので、今後は水冷を使いたいと思っています。それでシステムは一般的では無いですが、それでも頑張って使おうと思っていて、簡易的なものを活用しました。使ったCPUはインテルのコンシューマのi9。そしてGPUはNVIDIAのコンシューマの最高峰4090を入れました。
現在のところ、水冷システムは順調に動いていて、ファンも120ミリのものを利用するのが一般的なようで、コンシューマの環境に関してはほぼ無音で動いています。ラジエーターが熱くなってそれを排熱するように考えていますが、空冷と違って取り回しが自由なのでかなり助かっています。
これを本格的なシステムで入れようとすると、なかなか水冷システムは重さが重たいです。ただ空冷のように場所にとらわれず、冷却液の循環によってレイアウトが比較的変わってきますので、今後は今までできなかったラックのラッキングに関してもより密な設計ができそうです。
私たちは、深層学習や量子コンピューティングにこのようなGPUシステムを導入したいと思っています。お客様に提供する際には、Vシリーズ、Aシリーズ、Hシリーズ等のマシンを使う他、現在A30やA2などの推論用GPUも考慮に入れてシステムの構築を始めています。
前回からの学びでは、既存の建物を利用した配列のレイアウトはかなり難しく、よほどレイアウトが自由になるものでないと厳しいと感じました。今後はきちっと完全にリフォームできる部屋の活用や、完全に更地から基礎を打って建屋も立てると言うことを進めていきたいと思います。またサーバーに関しては、冷却水の循環や取り扱いが肝となり、また重量も増えるため、そうした建屋の設計や液漏れ等の対応など今までなかったような苦労もあるかと思いますが、実現に向けて頑張ってきたいと思います。
また、量子コンピューティングの本体も立ち上がりつつあるので、量子コンピュータのほうは冷凍機を利用したシステムとなりますので、またこうした液体を扱ったシステムとは異なったような様子になるかと思いますので、新しい知見を得られると期待しています。以上です。