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すぐには上場はしないが、2023年に全世界的に芽が出始めた超注目半導体量子コンピュータベンチャー特集

Yuichiro Minato

2023/09/16 06:29

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決して驚き家ではありません。 今現在全世界では最新型の量子コンピューターベンチャーが立ち上がりまくってます。それは全世界の勢力図の中で非常に重要なポジションをとっており、日本でもこのような機運が高まることを祈ってまだ上場はすぐにはしませんが、今後最有力となる可能性があるため紹介しておきたいと思います。

この最新の量子コンピューターの方式は半導体です。半導体と言うと既存のコンピューターを疑似的に量子コンピューターのように動かすと考える方がいらっしゃると思いますが、そうではなく、既存の半導体を利用して本物の量子コンピュータを作ってしまうと言うものです。 この半導体を利用した量子コンピューターの企業が全世界で立ち上がりまくっているというのが2023年現在の状況です。かつ世界的にも半導体は大変戦略的にも国家的にも大事なため、非常に調達額が大きく、期待感が高いと言うのが特徴です。

さて、半導体方式の説明の前に既存の量子コンピューターの方式をおさらいします。既存の量子コンピュータは、第一世代の超伝導、第二世代のイオントラップ、第三世代の中性原子、そして第四世代の半導体となります。他に光方式もありますが、光は少し特殊な作り方をしますので、これからは除外をしています。決して光方式が有力ではないと言うわけではなく、光方式はこの4方式に比べて発展が独立しているため、簡単には比較できないと言うことがあります。大きくはこの5種類が量子コンピューターの方式で、他にはいくつかはあるのですが、大きく市場投入が期待されており、現在世界中で立ち上がってるのがこの5種類です。

現在別の記事で今全世界で中性原子マシンが注目されており、次の上場を目指して非常に米国で流行っております。半導体はさらにその次の方式なので、まだまだ実用化や商用化が進んでいないのですが、何しろ半導体と言うと、生成AIで盛り上がっていますし、TSMCやサムスンといった大手企業が既に現在のスマートフォンをはじめとして、多くの商業向けとして取り掛かっている方式ですので、非常に重要な戦略的なポジションをとっていると思います。 半導体量子コンピュータは、このまさに既存の半導体の製造設備を使って、既存の半導体の製造方式を使って作られる最新型の量子コンピュータです。なぜこれまで半導体方式が注目されていなかったのか、そしていまだにまだ注目されていないのか、それは以前から半導体を利用して作れる量子コンピュータの限界は2、3量子ビットが限界であるだろうと研究者の中で言われていたからです。

それが現在研究の枠を超えて商用設備、特に最新型の半導体製造設備を使うことにより急激に量子コンピュータを作れるようになってきてしまっていると言う事情があります。また半導体方式は長い歴史があり、こうした製造設備や商用化に多くの投資や技術が投入されています。そのため、量産化と言う観点で非常にめどが立ちやすいと言う特徴があります。 現在世界で作られている光量子コンピューターを除く4方式はほとんど同じようなソフトウェアを利用します。そのため、この4方式は、どの方式が伸びるかどうかの競争が今後は過激化すると思います。 正直どれが勝つか分かりません。私たちは現在 性能が高いためイオントラップ方式のIonQを利用する機会が多いです。今後は中性原子マシンを使うことを期待していますが、まだ商用化は完全には進んでいないため、これからの勝負になると思います。 まだ我々は中性原子マシンを使うと言うところまでは来ていません。

それでも最新型の半導体量子コンピューターに関しては注目をする必要があります。まず特徴として小型化があります。半導体量子コンピューターは常温では動かさず冷やす必要がありますが、冷やす温度は272度のような1ケルビンと呼ばれる温度になります。確かに低温ですが、確実に冷凍機が小さくなりますので、デスクトップ機などの小型量子コンピューターの開発も進んでいます。これはアメリカやアイルランドを拠点とするequal1が本体を開発しており、写真も公開されています。 equal1はデスクトップ機に注力しており、まだチップ自体の開発に大きなコストをかけて開発に成功していると言うほどではないと聞いています。半導体業界で勝つために大きな投資が必要なように、半導体量子コンピュータはこれまでの研究室内で作られてきた量子コンピューターとは一線を画す大きな投資が必要となる大型案件です。そのため、既に数十億円単位で投資を受けているベンチャー企業であっても、この半導体のチップを作ると言う観点では非常に苦労していると思います。簡単には成功しない、つまり半導体での競争に巻き込まれるわけなので、非常に国単位での大きな体力の勝負になります。

小型なのでデスクトップ型の開発が可能。equal1のサイト。

https://www.equal1.com/about

それまでは半導体のプロセスサイズの影響か分かりませんが、量子コンピューターを利用する際に、量子ビットを開発が非常に難しいと言われており、数量子ビットが限界と言われていましたが、なんと2023年7月にインテル社が12量子ビットの最新マシンを出してしまいました。 これにより、これまで研究者の間で言われていた2から3量子ビットが限界と言う言説ももうあっという間に否定されることになり、ついにインテル社も数年後には1000量子ビット台のマシンを作るというところまで発表をしています。

intelの12量子ビットtunnel falls

https://www.qcrjp.com/post/tunnelfalls

また、現在全世界でこの半導体、量子コンピューターの流れに追いつくために、国単位での支援を受けた多くの企業が立ち上がっており、大規模な資金調達を行っています。英国、フランス、オーストラリア、アメリカ、オランダなど多くの半導体で優位に立っている国が立ち上がっています。わが国でも半導体方式を開発しての理化学研究所産業総合研究所、そしてムーンショットプロジェクトで行っている日立製作所となっています。 わが国での企業としては、ソニーが英国の半導体量子コンピューター企業へ大型の出資をしています。 理化学研究所は、米国インテルと組むなど、こうした半導体を囲い込む流れと言うのは急激に進んでいます。

Sony Innovation Fund、Quantum Motion に出資:英国

https://www.qcrjp.com/post/sonyinnovationfund

昨年2月、Quantum Motionがスピン量子ビットベースのプロセッサの継続的な開発のために、4,200万ポンド (約71億円) のベンチャー資金の獲得

Quobly(旧名Siquance)、1,900万ユーロ(約29.5億円)のシード資金を獲得:フランス

https://www.qcrjp.com/post/quobly

Silicon Quantum Computing が シリーズAラウンドで 5,040万豪ドル (約47.8億円) を調達:オーストラリア

https://www.qcrjp.com/post/silicon-quantum-computing

他にもDiraqなどオーストラリアはかなりシリコンに力を入れています。

量子コンピューターの流れはベンチャー企業だけでなく、台湾のTSMCなどの大手企業にも波及しています。最近では多くの大手企業がこの半導体量子コンピューターに注目し、半導体の将来的な商流を潰さないように、現在のコンピューターの性能が頭打ちになった段階でおいて、量子コンピューティングが次のコンピューティングのリソースとして注目され、始めているところに乗り始めています。

半導体業界は現在、生成AIなどの大きな流れの中にありますので、量子コンピューティングはまだ研究開発として初期段階ですので大きな資金を投じて行っていると言うような状況ではありません。現在足元の商談をきちんと確保し将来的なところを見せながらも、現在きちんと稼げているために量子コンピューティングに力を入れている企業はまだまだ少ないように感じます。スマートフォンや電気自動車などの波と同じように半導体業界も既存半導体の並列化や高性能化がとどまったときにいかに柔軟に量子コンピューターに乗り換えられるかどうかというのも1つの注目点に値するでしょう。

こうした半導体量子コンピューターの立ち上がりは今年かなり活発化しています。日本は相変わらず乗り遅れています。日本ではこれから超伝導などに力を入れると言うことで半導体はなかなか注目が集まりません。しかし米国株などの米国の情報を取り入れる人も増えてきました。実際最近米国株を取り扱っている量子コンピューティング株に関しては、この方式の選択の違いによって大きく損をするかが変わってきています。こうした半導体は流れなど最新情報を必要としている人は意外といると言うことを感じ取っているため、こうした記事を書いています。

半導体は量子コンピューターの中だけで閉じこもるような話題ではありません。また最近ではGPUなどを利用した量子コンピューティングもかなり盛んです。こうした新しい流れに関しては、個人的にはGPUや半導体、量子コンピューターのような既存の一大産業と量子コンピューターが密接に結びつく段階がそのうちに来ると思います。そうなったときにはやはり流れが大きく変わるのではないかと思って期待をしています。

半導体量子コンピューターに関しては、すぐにこうした企業が上場するとか、すぐに商用化が進むといった段階ではありません。実際現在のMicrosoftやアマゾンやGoogleなどのクラウドサービスでは超伝導、イオントラップ、そして最近ようやく中性原子が出始めたばかりです。こうしたシリコン半導体量子コンピューターが注目され始め、こうした企業が上場するかどうかを見極めるタイミングは、こうした大手IT企業が運営するクラウドサービスに半導体量子コンピューターのサービスが登場し始めた頃になると思われます。

今のところ半導体量子コンピューターがクラウドサービスに乗る段階ではありません。唯一インテル社が12量子ビットの半導体 もしコンピューターのチップの開発に成功しています。私たちも日本国内で取り掛かっていますが、正直これは驚異的な数字です。インテル社はこうした半導体量子コンピューターの開発に多くのお金をかけ、ウェハから大量の量子チップを生産し、歩留まりも95%と言う大変衝撃的な数字を残しています。半導体量子コンピューターが100量子ビットを超えるになってしまえば大きく状況が変わるかもしれません。そうなってくると私たちの量子コンピューターに対する取り組み方法も今後数年で大きく変わる可能性もあります。2023年現在はNISQ 呼ばれる量子コンピューターと既存コンピューターのハイブリッド方式の計算手法があまりうまくいかなかった年です。そのためインテル社はこうしたハイブリッド方式には期待せず、FTQCと言う次世代型の量子コンピューターに注力すると言うことを発表しています。 こうしたインテル社の取り組みが先行していますが、これが今後世界中で追従するとなると、現在の半導体業界のようにAIチップの開発でエヌビディアが単独勝ちしているような状況が、量子コンピューターでも起きかねないと考えています。

半導体量子コンピューターにはもう一つ半導体チップがあります。それが量子コンピューターの最大の課題である常温に置かれた大量の測定や制御装置に関して、多くの全世界の企業がこうした大規模なお金のかかる制御装置を開発して商売をしようとしています。インテルではHorseRidgeと呼ばれる新しいチップを開発していますが、これはこうした大量の常温に置かれた測定や制御装置を冷凍機内にワンチップ化しておいてしまい効率化しようと言うものです。現場の量子コンピューターがあまり広がらない理由の1つとして、こうした大量の値段のかかる測定や制御装置を開発しなくちゃいけないと言うことがありますが、半導体量子コンピューターではこうした制御、測定用のワンチップを進めており、128量子ビットまでの制御や読み出しができるチップの開発をアナウンスしています。これによりこれまで量子コンピューターを開発するためには、冷凍機だけでなく、大量の周辺機器にお金がかかると言われていましたが、ワンチップ化することにより、すべて冷凍機内で完結し、冷凍機の外に出すのは、単一の配線で、ただ冷凍機とノートPCがあればいいだけと言う極端な小型化を実現することができます。

日本でも、こうした半導体、量子コンピューターを支える新しい技術の開発が急ピッチで始まっています。こうした量子コンピューターをさらに高性能化するためには、既存の半導体技術をベースとして少し量子コンピューター向けの改造を施す必要がありますが、こうした小さな改造に関しては、極端に大きなコストがかかるわけではないので、研究開発としてはリーズナブルではないかと考えています。かつ将来的な量子コンピューターの登場に備えて大きな市場を取ることができると考えています。量子コンピューターのハードウェアは現在投資が活発化しています。それは現在の量子コンピュータを作ると言う投資ではなく、次世代の量子コンピュータを開発するというのが主な目的です。半導体量子コンピュータは非常に展望がわかりやすいです。既存の半導体技術の延長線上に量子コンピュータのチップを置き、クライオCMOSと呼ばれる制御ようのチップと合わせることにより、次世代の量子コンピュータを小型で大量に作ると言う展望です。

まだまだ開発はこれからですが、ぜひ興味ある人は注目してみてください。以上です。

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