blueqat社の最近の活動を統合すると、「半導体量子コンピュータでAI開発」となります。現実は小説よりも奇なりといいます。
半導体量子コンピュータ
弊社ではハードウェア部門を3月に閉じました。今後は国の研究所と連携してまいりますが、これまで行ってきた様々なハードウェアの活用方法から半導体量子コンピュータに当面注力することになりました。ソフトウェアは現状まだ半導体量子コンピュータで動かすことはできないので、海外のイオントラップ方式を採用していますが、国内では半導体量子コンピュータが最後の砦だと思っています。
・ソフトウェアの発展時期とちょうど半導体量子コンピュータの登場が重なる
・国内でこれからイオントラップ方式の産業化は難しい
・超伝導は大型化が見込まれるので産業化には厳しい研究用
・光量子コンピュータはソフトウェアスタックにまだ課題がある
・動作温度領域やチップ集積度合いから小型化が可能な見込み
・産業界の半導体への投資や設備、人材を活用できる
・既存の量子ゲートソフトウェアがそのまま使える
・小型化が可能でサーバールームへの設置が実現可能見込み
国内の既存の半導体産業の復興と量子コンピュータのロードマップが奇跡的に合致する可能性がでてきました。ソフトウェアもFTQC向けへの切り替え時期となっていますし、FTQC実現に必要な量子ビット数も半導体量子コンピュータならいけそうです。
量子コンピュータ
改めて弊社の量子コンピュータへの取り組みは、
・現状は結合数が多く、性能の高いイオントラップ方式を中心に利用
・量子回路を活用する量子ゲートを利用し、ソフトウェアスタックを順調に積み上げる
・国内の多くの大手企業が参入してクラウドを利用していただいている
・今後は小型量子コンピュータ向けにクラウドのシステムを小型の実機のミドルウェアとして搭載
・既存データセンターに設置し、既存コンピュータと連動する量子コンピュータの開発支援
となっており、産業化を中心に見込んでいます。結合数の少ない半導体量子ビットでは動作速度の高速性を生かして、swapゲートを使って結合数を補う予定となりますが、2量子ビットゲートの精度が結局大事になってきそうです。
AI開発
弊社では国プロでImPACTの時には量子コンピュータと深層学習プロジェクトを手掛けてきました。近年では、自動車メーカー、材料メーカー、サービス企業の実用的な機械学習プロジェクトを通じて請負で大型のプロジェクトを成功させてきました。既存の機械学習ベンチャー企業と比較しても十分にビジネスができています。
AI開発の良さはその汎用性で、さまざまな分野に技術を応用することができます。弊社では特定の領域に特化することなく、特にAIや最適化を中心により業務を強化し、ソフトウェア開発を強化してまいります。
半導体量子コンピュータでAI開発もバズワードに見えますが、現状の現実的な考察から導き出される最善のロードマップとなっています。
以上です。