今日の話題は米国のNVIDIA社が新しい量子コンピュータ向けのシミュレータとしてcuQuantumを発表しました!これを既存のAIむけのGPUに搭載することで簡単に量子コンピュータ向けの開発環境を構築することができます。
今回発表されたcuQuantumには大きく分けて二種類のシミュレータがあります。一つが状態ベクトルシミュレータ。もう一つがテンソルネットワークシミュレータです。
状態ベクトルシミュレータは厳密に行列計算をすることで、今回のcuQuantumでは最大で36量子ビットの計算ができます。こちらは厳密精度が必要で、36量子ビットまでの計算が必要な場合に利用される、とてもオーソドックスなタイプのシミュレータとなります。量子位相推定や時間発展、shorなどにも利用できると思います。
もう一つはテンソルネットワークシミュレータで、こちらはテンソルの縮約と分解という手法を利用し、量子回路の計算順番を工夫することで従来手法では実現できなかった大規模な計算ができます。NVIDIA社の例題ではGoogleの量子超越の計算を従来スパコンでは1万年かかっていたものをGPUで10分ほどで計算できてしまうという例が載っています。
今後GPUを利用したマルチノードのテンソルネットワークシミュレータの発展はまだまだこれからです。また、量子機械学習におけるGPUの量子古典ハイブリッドの最適化計算など、まだまだ量子コンピュータとのハイブリッド計算の本格開発はこれからとなっていますので、ぜひみんなで量子コンピュータにとりかかってみましょう!
blueqat社では、今後クラウドシステム及びオンプレ向けにcuQuantumを搭載した大規模開発環境を提供予定ですので、サポート込みの間違えない量子コンピュータ開発という観点でぜひお役立てくださいませ。以上です。