リュードベリ原子による量子シミュレータの計算方法概観

こんにちは、冷却原子をつかった量子シミュレータでは、特定の定式化のもとでの01計算ができます。前回はハードウェアの状況を見ました。


https://blueqat.com/yuichiro_minato2/cee2ebdc-0878-4da7-ae4f-e9b0c2003f7d

https://blueqat.com/yuichiro_minato2/24d6f7e3-c790-475d-a7fa-e9ff1595b480


今回は肝心の計算部分を見てみたいと思います。


おさらい

リュードベリ原子というのは、レーザーによって、電子の軌道が原子から遠いところにあるようなものでした。それを使って計算をしますが、特定の半径内ではリュードベリ原子同士は同時には存在できないみたいなルールがあり、そうしたルールを規定した定式化があります。



ハードウェアはレーザーからなる光ピンセットと呼ばれる技術を使います。



最初には固定された光ピンセットではロードされた原子を捉えられるだけ捉えて、その後移動可能な光ピンセットを使って原子を整列させます。

そうして整列された原子に対して、両側からレーザーを当てますが、その際に、横磁場に対応する値と局所磁場に対応する値が時間で変化させられます。相互作用はリュードベリ原子同士のファンデルワールス力によって決まりますが、どうやら両側からレーザーを当てるタイミングで光ピンセットは一時的に解除されるということで原子間距離は固定かと思われます。


QuEraやPasqalのような冷却原子ハードウェア企業の今後の課題はソフトウェアになるかと思います。現状は特定のハミルトニアンを解くという操作に対応していますので、問題に社会問題として量子アニーリングのように組み合わせ最適化問題をマッピングできます。


QuEraの論文を見る限り、量子シミュレータは相互作用に関しては時間での操作には対応していませんので、横磁場相当のラビ周波数と局所磁場相当のレーザー離調を時間tで変化させながら量子状態を変化させる必要があります。量子シミュレーションでは、量子を使って量子の振る舞いを確認する等意味でとても原子関連の研究では意味のあることではありますが、一般にawsなどに公開されて、だれが量子シミュレーションを活用したいのかと言われるとあまり需要はない気はします。それよりはやはり組合せ最適化問題に対応されると思います。



原子間の距離や配列方法、パラメータによって、チェッカーボード柄、直線柄、星形などさまざまなパターンがつくれるそうです。実際の社会問題においては原子間の距離はそれぞれ異なることが多いと思います。そのような原子の自由な配置に対応するのかどうか含めて冷却原子を利用した社会問題の解決はかなり今までと違った定式化能力が必要とされそうです。


今後は量子シミュレーションだけでなく、汎用量子計算に利用されたり、FTQC向けの誤り訂正への応用、量子機械学習への応用などが冷却原子でありますので、そのあたりもチェックしていきたいと思います。


簡単ですが、以上です。

Yuichiro Minato
blueqat CEO/CTO 2015年総務省異能vation最終採択 2017年内閣府ImPACTプロジェクトPM補佐 2019年文科省さきがけ量子情報処理領域アドバイザー
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Yuichiro Minato
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