前回の続きです。
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量子コンピュータ業界は歴史は浅く、最近立ち上がったばかりです。感覚としてビジネスで成り立ち始めたのはここ3年ほどです。その前は研究開発や大手企業が取り掛かっており、最近よくニュースで聞くと思います。
量子アニーリングと疑似量子アニーリング
よく量子アニーリングと量子ゲートという方式があるという説明があります。こちらの説明は2015年ごろに弊社が主に説明していました。現在世界では量子ゲート方式がほとんどになっていて、分けて説明されることはありません。ただ、国内では量子アニーリングを東工大の西森先生が理論提唱したということもあり、国内では大手を中心に根強い人気があるため、方式を分けて説明するのが目立ちます。
量子アニーリングは量子コンピュータの計算のうち特定の計算を取り出したものになった特化型・簡易型となっており、QUBOと呼ばれる式を作ることによってそれを解いてくれるものです。QUBOは二次式の形式になった数式で組合せ最適化問題と呼ばれる多くのものからいい選択肢を選ぶものを解く問題を実装します。QUBO式の形に社会問題を落とし込むのが難しいといわれていますが、現在では多くの実例があります。有名な企業はD-Wave社です。
D-Wave社はループ状になった超伝導マシンを使って量子アニーラと呼ばれる量子アニーリングマシンを提供しており、ニュースではこれら量子アニーラと量子コンピュータを同じものとして報道することもあれば、別のものとして報道されることもあります。昔はうるさかったですが、最近は量子ゲートが主流となってあまり深くは追及されなくなりました。
国内の大手が出している疑似量子は量子アニーリングやシミュレーテッドアニーリングと呼ばれるアルゴリズムを既存のコンピュータにソフトウェアとして実装されたものを提供しています。開発コストがかからないため多くの企業から提供されています。基本的にはすべてQUBOを解くものなので、量子アニーラでも疑似量子アニーラでも同じ問題を解くことができます。
実機の超伝導マシンはハードウェアの制約から接続と呼ばれる計算をつかさどる量子ビット同士がつながっているつながっていないを意識する必要がある場合もあります。課題点はニュースでは速度が取り上げられていますが、実際には速度や精度がよくない点で、理論的にも実はまだ早くなるかどうかはわかっていません。
これら量子アニーリングの人気は根強く、QUBOの定式化方法のコンサルティングや教育サービスなど弊社でも毎月のように依頼が来ます。合計132-264万円ほどで社内の量子アニーリングの人材育成なども行っています。その際にはjupyternotebook形式でpyquboやd-wave nealと呼ばれるpythonのツールを使って数式を教えるようなものを12-24回で行っています。基本はzoomで行っており、参加人数に制限はありません。
量子ゲート
よくIBMやGoogleなどがニュースになっている汎用的な量子コンピュータです。サイズが小さい&エラーが多く、値段が高いのが難点ですが、基本的には何でも計算ができます。ただ、現在の量子コンピュータで有利な問題を解かせたいという希望で、比較的解きやすい4分野がよくニュースに上がります。
・最適化
・量子化学
・金融
・機械学習
量子ゲートと呼ばれる論理ゲートを音符のように並べて、その量子ゲートの回路の通りに実機に計算をさせます。学ぶのはかなり難しいと思います。量子アニーリングは疑似マシンや超伝導が主流ですが、量子ゲートではさらに種類がたくさんあります。
・超伝導
・イオントラップ
・冷却原子
・半導体
・光
・ダイヤモンド
などです。光量子には計算方式がほかの量子ゲートと同じもののほかに光専用の連続量と呼ばれる計算もあります。光連続量は計算が難しいためほとんど説明されませんし、ツールもほとんどありません。blueqatでは光連続量の依頼にもお答えしています。主にクラウド月額11万円とコンサルティング月額11万円で請け負っています。光連続量はガウシアンボソンサンプリングと呼ばれる計算アルゴリズムを使うことが多いです。
活用のアイデア
ある程度ニュースにあり、すぐ使えるという観点から量子アニーリングを採用される企業様も多いです。また、やはりGoogleやIBMなどが取り掛かっている主流の量子ゲートを選ばれるお客様も多いです。
組合せ最適化
・量子アニーリング主体、量子ゲートでトライ
材料科学
・量子ゲートによる量子化学計算
・量子機械学習による予測分類
・量子アニーリングによる配合組合せ
金融
・リスク計算は量子ゲート
・組合せ最適化は量子アニーリング
・不正検知などは機械学習
機械学習
量子ゲート
といった感じで分野に合わせて使い分けをお勧めします。
その3につづく
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