ちょっとだけSNSでプチバズりをしました。定期的にアカウントはだんだん発信力が強くなっていて(実は仕事が忙しいので、めんどくさくて以前一回Twitterを辞めたことがある)今回はフォロワーが5,000人台から一気に12,000人程度に増えました。
街中っていうのはあまりないのですが、イベントや展示会でXやYouTubeを見ましたと声をかけられることはとても多いです。書籍も4冊出しているのでサインを書くことも多いです。
さて、ことの顛末は下のブログ記事にも書きました。
https://blueqat.com/yuichiro_minato2/1d0d49e0-1b08-40b6-b861-cd22fbee36dd
こちらの記事は数日でアクセス数が流入で数十万でました。いまだにアクセス数が多いです。SNSで話題になると最近はいろんなところで取り上げられるので、ものすごい拡散されますよね。自分は特に拡散を希望したことはないですし、今回のも仕事のストレスで決断を迫られてストレス気味にちょっと愚痴っぽく書いたのが拡散されました。第三者のLineで教えてもらって気がついたくらいなので、あまり気にしていません。
実はその二ヶ月前にYouTubeですでに15万回再生された動画もあって、
https://www.youtube.com/watch?v=2-XcjIzZgnE
みなさん量子コンピュータが好きなんだなって思いました。
私たちの本業は量子コンピュータなので、量子コンピュータやGPUが使えるクラウドサービスを企業向けに提供しています。企業としてはお金がかかっていますので、さまざまな要望や質問がきます。最近は取引社数がとても多いので、コンサルティングがわりにこちらのブログやYouTubeに投稿をして、実際の業務内でのやり取りを一部効率化しています。そういう意味でも投稿をしています。
結構どうでもいい話をすると、四月は今年度の量子コンピュータや機械学習における取り組みを決める時期であるので、多くの大手企業から相談がきます。弊社としても大事な予算と人員の一年間を預かるので方針を間違えるわけにはいきません(冗談抜きで日本の量子技術の方向性を決めている感があります)。
ということで、今回も今低迷している量子コンピュータ業界では、量子の冬と呼ばれる技術が活用できない時期にある上、生成AIの登場によって多くの企業が予算の割り振りに悩んでいます。今のタイミングで量子コンピュータに投資をしてもすぐにリターンは望めない上、一旦企業の研究計画を立ててしまうと、最大で今後3年をそこに費やすことになります。そうなると各業界における競合他社、最近ではグローバルでの競争力に大きな影響が出ます。
弊社としては優秀な量子技術者をたくさん抱えていますが、それでも量子業界を現段階でお勧めすることがあまりできません。期待すると今ではなく、もう少し後の時期になりいます。今から準備が必要かというと、現時点では2023年末のブレイクスルーにおいて、「方向性」が大きく変わってしまう可能性がある上、NISQと呼ばれる計算や量子アニーリングの計算は現時点ではあまり有用でないことがわかっています。
また弊社が万が一有用であると唱えても、米国の量子コンピュータ企業の株価の低迷(1/10から1/20になっている)を見ると説得力はありません。我々も客観的に見ても量子技術が投資に対して大きなリターンをもたらすのはかなり難しいと考えています。
と、暗い現実的な話をしましたが、それでも今回のSNSやYouTubeでの感想をいろんな人に聞いたところ、とにかく「夢がある」という話でした。日本の景気やその他暗い話も多い中で、夢がある話はかなり多くの人の興味をひいて将来への希望につながることがあるということから、現時点で量子コンピュータがすぐに大きく跳ねなくても、将来的に今のGPUのような大きな羽ばたきを期待しているようでした。
その点、量子コンピュータは次世代のコンピューティング技術としてはほぼ不動の位置を手に入れたように見えますので、現時点では将来性はあると思います。ですので、今年から技術的に難しい領域に入っていきますので、基礎技術の発展の時期かと思います。企業の収益には直結しないためかなり難しい決断を迫られる人もいると思いますが、全体としては期待が持てる技術なので、エンタメとしてしばらくは楽しんでもらうのが良いのかなと思いました。