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低軌道衛星を利用したインターネットサービスStarlink(スターリンク)経由でのAI・量子計算サーバーとの通信を実行しました

Yuichiro Minato

2024/06/15 09:59

こんにちは、弊社では通常のサーバールームの他に、AIサーバーやGPU量子計算のサーバーを簡単に導入できる、マイクロデータセンターを構築しています。通常AIサーバーやGPU量子計算のサーバーはうるさかったり排熱に苦労します。高性能サーバーを離れにおくことで居室を犠牲にせずに活用できます。

地域、企業向け小型の量子コンピューティング&AIマイクロデータセンター

https://blueqat.com/yuichiro_minato2/aad15a79-673b-4b5d-9d42-11ecc73ec7d0

また、AIや量子計算は頻繁なアクセスがあるというより、計算そのものに時間がかかるのと、入出力のデータがそれほど大きくないこともあり、業務に利用する程度でしたら5Gセルラーでもいけるのでは?ということで、5Gセルラーネットワークを利用したAIや量子計算の運用を行いました。こちらは安定して稼働しています。

5Gセルラーネットワークを利用した生成AIおよび量子コンピューティングシミュレーションサービスを構築

https://blueqat.com/yuichiro_minato2/444e00fb-9766-41ed-b344-49c91d6978b2

今回はさらにこれを拡張し、宇宙からインターネットを引いて利用してみます

今回利用したのは地上550kmの上空を飛んでいる低軌道衛星であるStarlink(スターリンク)から直接インターネット接続を行い、AIサーバーやGPU量子計算を行ってみます。

Starlink

https://www.starlink.com/jp

こんな感じのアンテナを配置すると、自動的に動いて低軌道衛星を探しインターネットに繋いでくれます。

今回も設置したらすぐに探索をはじめ、素早くインターネットに繋ぐことができました。

金額も初期費用はアンテナ代金数万円。月額は個人6,600円やビジネス9,600円で利用できます。

つながるとアプリからも確認できます。

早速この回線を利用して自社のサーバーを運用してみたいと思いました。

と、ここで問題が出ました。セルラーネットワークの場合には、グローバルIPアドレスを取得し、DDNSという仕組みでサーバールーム内部のサーバーへのアクセスを確保できました。

今回は自分の素人ネットワーク技術ではいきなりはこれに繋ぐことができませんでした。外部からサーバーにアクセスをしてそこに対してAIや量子の計算をしてもらうという命令を出すことができません。

ということでちょっと工夫をしました。

計算サーバーに直接外部からアクセスが難しい場合、ポーリングという計算サーバー側から一定間隔で自社のサーバーへ問い合わせをして順番待ちの計算がないかどうかを確認する仕組みがあります。ただ、こちらは計算の応答が増えるので、なかなか大変ですので、今回はwebsocketを使ってみました。

まず、AIを利用したい人が、弊社のサーバールームに聞いてみます。今回は料理のレシピに関する問い合わせを実行しましたので、

「このレシピの所要時間は?」

を投げます。そうすると、弊社のサーバーはその命令を直接websocket経由でStarlinkを通じて計算サーバーへ投げます。計算サーバーでは上記の質問に対して、RAGという仕組みで、事前に登録されたデータベースと生成AIを組み合わせてレシピに関する情報を取得し、生成AIで文章に直して、送り直します。自社のサーバールームと計算サーバーはwebsocketを通じて通信が確保されていますので、そこで再度自社のサーバーへ回答を送り、AIを利用した人に返答をします。

「所要時間は約30分です」

と答えが出ました。計算はかなり高速で、人工衛星を通じて複雑なやりとりがされているとは全く感じず、普通に生成AIやRAGという仕組みを利用するのと全く違和感なく使えました。

企業向けにマネージドのRAGシステムを提供します。

https://blueqat.com/yuichiro_minato2/ba5fe25d-429a-49cd-889c-cc783e7bd18e

また、量子計算という量子回路を利用して量子コンピュータの計算を通常の計算機でシミュレーションする仕組みも実行してみましたが問題なく計算ができました。長い計算だと計算結果を取得するのに時間がかかるので他の方法が必要かもしれませんが、今回は短い計算でしたのでリアルタイムで実行できました。実際の量子コンピュータも計算時間がそうかからないことが多いのでこの仕組みは使えると思います。

今回はかなりシンプルで短時間のトライアルでしたが、無事低軌道衛星を利用した生成AI(RAG)と量子計算を実行することができ、その使い勝手は普通のインターネットを利用する場合と何ら遜色なくできました。南極でも、ジャングルの奥地でもStarlinkは活用できるということなので、とてもいい時代になりましたね。以上です。

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