QUANTUM GAMING
Nobisuke
Dekisugi
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2024/12/23 03:09
量子コンピュータは確かに技術発展していますが、ビジネスで使うにはかなり物足りないです。もっと大きなスケーリングが必要ですが、現状の量子ビット数は物理量子ビットでも超伝導でせいぜい1,000。中性原子でもせいぜい10,000となっています。これからチップ同士とかシステム同士を繋いで100万量子ビットを実現すると言っていますが、せっかく小さい量子なのにすでにシステムが大きいと良さが活かせません。んで、一箇所に集積したいですね。
ということで、スケールするための技術を探しているのですが、そのうちの一つが半導体量子ビットで開発されているExchange Only量子ビットです(と思ってる)。
Universal logic with encoded spin qubits in silicon
超伝導方式では量子ビットの操作にマイクロ波を使います。半導体も同様なのですが、半導体ではマイクロ波を使わない方法も検討されており、マイクロ波フリー技術と呼ばれます。マイクロ波フリーにも複数ありますが、Exchange Onlyはそのうちの一つですが、個人的に注目しています。
通常の量子コンピュータの操作は、1量子ビットゲートと2量子ビットゲートがあるのはみなさんご存知の通りです。1量子ビットゲートは任意の軸周りに回転角度を指定して量子ビットの回転を操作します。2量子ビットゲートでは条件付きゲートを利用して片方の量子ビットの状態に合わせてもう片方の量子ビットに特定の量子ビット回転操作をあてがいます。
Exchange Onlyでは英語の字の通り、「交換のみ」で計算をします。この交換のみというのがどういうことか確認します。
半導体量子コンピュータでは現在主流で研究開発されているのはスピン量子ビットと呼ばれる電子のスピンを使います。向きを決めて、その向きを軸回転で操作します。また、2量子ビットゲートではもつれを作成します。
一方、電子で決まるスピン量子ビットには「交換相互作用」というスピンの相互作用があります。
以下ChatGPTの返答を入れます。
交換相互作用は、量子力学のスピン統計原理とパウリの排他原理に基づくものです。近接する2つの電子スピンが交換される際に、全体のエネルギーが変化する相互作用として理解できます。
交換相互作用のハミルトニアンは次のように表されます:
ここで:
交換相互作用は、2つの電子が空間的に近い位置に存在し、その波動関数が重なるときに発生します。
スピン状態:
相互作用の起源:
半導体量子ビットでは、次のような手法で交換相互作用が利用されます:
量子ドットスピン量子ビット:
シングレット-トリプレット量子ビット:
トリプル量子ドット構成:
と書いてある通り、スピンの相互作用を計算に利用します。Exchange Onlyはこのうち、トリプル量子ドット構成を構築し、3量子ドットを1量子ビットに符号化して計算をします。そうすることによって1量子ビットゲート相当の計算が相互作用だけで実現できます。
Exchange-only (EO)量子ビットにおいて利用される交換結合定数 ( J ) は、量子ドット間の電子スピンの交換相互作用を特徴づける重要なパラメータです。この値は量子ドット間のトンネル結合や電場によって制御され、量子ビット操作やエンタングルメント生成の基盤となります。
交換結合定数
ここで:
量子ドット間の電圧を変化させることで、トンネル結合
低電圧状態:
高電圧状態:
交換相互作用を用いたゲート操作では、操作時間
したがって、ゲート操作を迅速に行うには
ChatGPT先生がいろいろ喋ってますが、半導体量子ビットの作成方法について少しおさらいをします。
参考:
半導体では、z方向は材料で電子を閉じ込め、xy平面方向は電気的に閉じ込めます。閉じ込める方法も多々あるのですが、基本的には全部同じです。
次にその閉じ込めについて、電子を一つずつ閉じ込めるエリアにおくりながら量子ビットの準備をします。最初から空間的に量子ビットが用意されているわけではなく、電気的に操作をして量子ビットを最初に作る操作が必要になります。
参考:
クーロンブロッケードと呼ばれる作用によって量子ビットを単体でエリアに閉じ込めて量子ドットを作ります。そこに外部から磁場をかけることで量子ビットを作成します。
量子ドットや量子ビットを作成するた目にはプランジャーゲートと呼ばれるドットの入れ物を作るゲートと、バリアゲートと呼ばれる量子ドットをしっかり閉じ込めるゲートがあります。通常ここにマイクロ波発生の回路からマイクロ波を当てて量子ビットの回転操作などを行います。
交換作用はこのうち、バリアゲートを利用します。バリアゲートを弱くすると隣接スピン同士の相互作用が強まるという操作を利用します。そのためマイクロ波の仕組みが入りません。そのため、現在の半導体で利用されるゲートと近い構造だけで量子コンピュータが作れることになります。現在の半導体技術ではトランジスタと呼ばれる計算素子が数百億単位で搭載されているので、普通に考えるときちんとゲート操作ができれば量子ビットも数百億入れられることになります。
具体的な計算は交換相互作用では最終的に量子状態が交換されるswapゲートと同じものになりますが、これが時間発展で行われるので、部分スワップゲートが作用されます。
量子の場合、
ここで、
この部分スワップゲートと1量子ビットゲートを組み合わせれば任意のゲートが実現できそうですが、1量子ビットゲートがないので、3量子ビットを順番に操作して1量子ビットゲートと同じ操作ができ、さらには6量子ビットあれば2量子ビットゲートが実現できます。
引用:https://www.nature.com/articles/s41586-023-05777-3/figures/3
部分スワップの相互作用はバリアゲートの電圧の操作によって実現できるので、6量子ビットの間のゲート電圧の操作を順番に行うことで、上記のように量子ゲート操作ができます。
量子ゲートの操作回数は増えますが、全体のシステムの構造がシンプルで、スケーリングが可能そう、EO(Exchange Only)の相互作用が局所的なので良さそうな気がします。
EOをうまく使うことで、これまでXYZやHやCXでかかれた量子回路計算もハードウェアごとに最適化されるとしたら、EO向けにうまくエンコードされるような研究も進みそうです。
これからハードウェアごとの開発競争が過熱化すると思われます。超伝導、イオントラップ、中性原子、半導体とそれぞれの方式に対して、高レベルでの量子回路生成だけでなく、ハードウェアごとの実装に最適化されたことでアプリケーションのパフォーマンスも最大化されるような試みも加速しそうです。
EOの場合、ゲートの操作が重要な要因となり、主に精密な制御などが基本となると思います。近年ではQPUのチップ上にCPUをそのまま実装し、量子ビット制御や誤り訂正に利用する構想も進んでいます。半導体を利用した量子コンピュータの開発が爆発的に成功する可能性もあるので、今後数年がとても楽しみです。
弊社も半導体量子コンピュータの開発やチップの設計を進めています。ぜひ世界に先駆け日本で先陣切ってイノベーションを起こしていきましょう!
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